DNSもクラウド化! Amazon Route 53を導入してみたよ。
2010年12月にリリースされていましたが、
つい先日AWS Management Consoleからの利用が可能になったようなので、導入してみました。
Route 53って
通常、webサーバには固有のIPアドレス (1.2.3.4 とか)が割り当てられていて、IPアドレスだけでは覚えるのが大変、ということで生まれた仕組みがドメインで、そのドメイン名とIPアドレスを紐付ける、またその逆を行うのがDNS(Domain Name Server)です。(その他にも様々な機能があります)
昨今のインターネットにおいてはなくてはならないし、自然と使っている、いわば縁の下の力持ちといっても過言ではないほど、重要なサービスと言えます。
最近ではドメインを取得すると、レジストラで用意されていたり、レンタルサーバ業者で用意されている事が殆どですが、いまいち使い勝手が良くなかったり、反映に少し時間が掛かったりします。
ドメインを持っている個数が多いと、自前で立てたりしますが、プライマリとセカンダリが同じデータセンター、同じ回線環境下にあることがザラにあり、データセンター全体が障害を起こした時に、名前引きができなくなるトラブルも少なくありません。(実際、そのケースに遭遇したことが多数あります。)
また、基本的にセカンダリは離れた場所に設置する事になっていますが、なかなか遠隔地にサーバを用意するのも大変です。
このRoute 53は、そのDNSを(機能的にもお財布的にも)手軽に、しかも冗長化された安定して使える環境が手に入るサービスです。
気になる安定度
SLAが設定されており、クエリ参照に失敗した時間に応じて返金保証を行なっています。
Amazon Route 53 が100%の稼働率でなかった期間 |
5~30分 |
31分~4時間 |
4時間以上 |
SLAの設定値はかなり強気ですが、複数リージョンに分散されている為、失敗することは殆ど無いでしょう。
気になるお値段
1ドメインごと $0.50 = 約40円/月(25ドメインまで) 26ドメイン以上は、1ドメインあたり $0.10 = 約 8円/月
100万クエリごと $0.50 =約40円/月 10万クエリであれば $0.05 = 約4円/月
DNSは、毎回コールされるわけではなく、TTLで設定した期間、ISPや自宅ルータなどのDNSキャッシュサーバに保管されますので、TTLを長めに設定しておけば、100万クエリに達する方が大変かもしれません。
1月、1ドメインあたりわずか50円程度で高機能、高可用性なDNSを運用できる訳です。使わない手は無いですね。
既存のDNSから移行してみました
既にAWSのアカウントを登録済なのが前提です。
この’aquadrops.jp’が、あいにくvalue-domainに設定したDNSのため、手動で移行しました。
今回はGUIの使用感を試すため、1レコードずつ手作業で移しましたが、次は移行スクリプトを作ってやってしまおうと思います。
AWS Management Consoleの”Route 53″のタブをクリックします。早速登録してみましょう。
ドメイン名を入力します。
ドメイン一覧に登録されます。ドメイン名をクリックしてみると、
既にNSレコード、SOAレコードが設定されています。
‘Create Record Set’ボタンを押します。
まず、”aquadrops.jp”(サブドメインなし)のAレコードを登録します。
皆さんがご覧になってるこのblogのアドレスですね。
次にGoogle Appsのレコードを登録します。
まずはMX。
SPFレコードも忘れずに。
www.aquadrops.jpはaquadrops.jpにエイリアス(CNAME)したいので、こんな感じ。
Route 53のDNSに問い合わせてみます。
大丈夫そうなので、ドメインを取得した、value-domainのネームサーバ参照先を、Route 53の物に変えます。(枠囲みの部分)
これで完了!
もちろん、DNSの基本的な知識は必要になりますが、
GUIを使うことで簡単に導入が可能です。
次回は既存のbindで管理しているDNSをRoute 53に乗り換えてみます。