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2020-04-19

ZoomやHangoutの音質向上に!音響学科卒フリーランスエンジニアがマイク環境をスタジオレベルに整えてみた

新型コロナウイルスによる緊急事態が全国に広がる中、対面で会話する機会が減っていることと思いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

ZoomGoogle Hangoutを活用してのオンラインミーティングやオンライン飲み会を日々開かれているかと思いますが、 自分の声が相手に届きづらかったり、相手の声が聞きづらい、といったことも多くあるかと思います。

今回はフリーランス歴9年、遠方の方ともオンラインミーティングを日々行っている僕が、音響の専門学校で得た技術を生かして、オンラインミーティング環境を構築したのでご紹介します。

今の環境の問題

MacBook Proの内蔵マイクだと…

例えばMacBook Proだと、大半の機種は○の辺りにマイクがあるのですが、

Macに内蔵されているマイクは無指向性というタイプの為、パソコンから少し離れて話していると周囲の音を拾い、雑音がかなり混ざってしまいます。

声が反響する空間だと反響音まで拾ってしまい、聞きづらくなってしまいます。

ではAirPods Proだとどうなの?

AirPods Proはワイヤレスイヤホンとしては優秀だとは思いますが、マイクとしての性能はいまいちです。

サンプリング・レートが16KHz一択であり、AMラジオと同じくらいの音質になります。声を扱うサンプリング・レートしては十分かもしれませんが、少しこもって聞こえることも。

もっといい音で相手に聞こえる環境を作ろう

必要な機材を揃えました

今回用意したのはこんな感じ。

元から持っていたもの

USBケーブルは付属品ではなく、あえて高品質のものに。 近頃のMacはUSB Type-Cのため、USB Type-C 変換ケーブルも必要になります。

コアキシャルケーブルはモニタースピーカー側で対応していたため用意しました。

QUAD−CAPTUREは販売終了の為、メルカリなどで出回っているものか、後継機種のRubix24をおすすめします!(公式サイト)

今回追加で買ったもの

  • マイク / SHURE SM58 10,780円
  • スタンド/ CLASSIC PRO MST Petit 卓上マイクスタンド 1,078円
  • 電磁シールドマイクケーブル / CANARE L4E6S PURPLE 2m 200円
  • XLRキャノンコネクター メス / NEUTRIK NC3FXX-BAG 495円
  • XLRキャノンコネクター オス / NEUTRIK NC3MXX-B 352円 (価格は購入時点のサウンドハウスのもの)

今回はケーブルも自作したかったので、ケーブルとコネクタを別々に買いましたが、もちろん既製品でもOKです。

マイクを組み立てるとこんな感じ。いいですね!

SHURE SM58を選定した理由

今回、マイクは発売から50年以上、SHURE SM58 を選びました。

  • 指向性が強く、周囲の音を極度に拾わない ※SM58のカタログより

マイクの前面180°の音を拾うため、周囲の環境音が入りづらくなっています。

  • レコーディングスタジオや放送局でもスタンダードなマイクとして幅広く使われている

ケーブルを作る

ハンダゴテを使って、コネクタを取り付けていきます。

まずはオス(QUAD-CAPTURE側)から ケーブルを通して 被覆を剥いて 予備ハンダをして 端子にハンダ付けします。 オスコネクタの取り付け完了です!

続いてはメス(SHURE SM58側) ケーブルを通して、 オス側と同じく予備ハンダをして、端子にハンダ付けしていきます。 ケーブル完成です!

設置します!

事前に、Rolandの公式サイトからドライバーをダウンロード、インストールします。

QUAD-CAPTUREと、

USBケーブルでMacと接続、

コアキシャルケーブルでスピーカーと接続、

マイクケーブルでSHURE SM58を接続したところ。

パソコンの設定をしよう

Macの「環境設定」→「サウンド」の設定

入力出力とも、「QUAD-CAPTURE」にします。

QUAD-CAPTUREの設定

デバイスの設定 を 「WAVE OUT 1-2」 にします。 左側でマイクからの入力レベルの設定を、右側でコンプレッサーの効きを設定します。

マイクの入力レベルが低いため、コンプレッサーで調整していますが、この辺りはお好みで。

Zoomの設定

Speaker MicroPhone 共に、「システムと同じ」にします。

マイクに話しかけてみて、MicroPhoneのレベルメーターが7割くらいまで振れるように、前述のQUAD-CAPTUREの設定を変えましょう。

最後に「マイクのテスト」ボタンを押してマイクに話しかけてみてください。数秒後に自分の声が返ってきたら完了です♪

(おまけ) パソコンで流している音楽を相手にも聴いて貰う方法

右下、ヘッドホン端子の左側にあるツマミを変えることで、パソコン上の音楽とマイクの音をミックスする事ができます。

  • 左側に回すと、パソコン上の音楽の音がメインに
  • 中央にすると、パソコン上の音楽の音と、マイクの音が半々にミックス
  • 右側に回すと、マイクの音がメインに

もし、マイクの音が相手に聞こえない場合は中央〜右側に合わせると聞こえるようになります。

まとめ

マイクとサウンドキャプチャーを導入してオンラインミーティングを行ってみたところ、相手にもよく聞こえるようになったようで、聞き返されることもなくなりました。

スタジオ仕様なので、オンラインミーティング以外にも、生放送や収録にも応用可能です。

音質向上は機械的にいじるのではなく、良質なインプット=いいマイクからです。

少し大掛かりになってしまいますが、導入されてみてはいかがでしょうか。